白は2つの隅で死活を読み損なう

黒の中国流布石へのカカリが不適切だった

Lizzle_KataGo では,検討したい局面を次のように操作します。
 下向き矢印キーを押すと1手ずつ,「pagedown」キーを押すと10手ずつ進みます。
 碁盤の左側下半分に『勝率グラフ』,上半分に勝率と目差が数値で表示されます。
 下図に5手まで進めた局面を示します。


上図の黒「5」(小さい白丸が付いた黒石)は高い中国流布石でした。これに対して,白「6」(白丸)のカカリは不適切でした。KataGo の推奨手は,上図の水色や緑色の場所でした。これらをはずした白は攻められて,一気に苦しくなりました。

白は黒の打ちすぎを咎めるべきだった

下図に見るように,その後,右辺の白が上辺とつながることになって,白が盛り返しました。白「28」がきてから,これを妨げようとして,黒「29」(小さい白丸が付いた黒石)と打ったのは,黒の打ちすぎでした。
 白は,下図の水色の場所へ出て,これを持ち込みにすれば,形勢は一気に互角になる所でした。

白は右下隅へのカカリより切り込む手が良かった

下図は,黒「65」(小さい白丸が付いた黒石)と右下隅から大きく開き詰めを打ちました。これに対して,下図に見るように,白は右下隅へのカカリ(白丸)を打ちましたが,KataGo の推奨手は水色の場所に切り込む手でした。ここを切って,右辺へなだれ込むのが有力でした。

白は右下隅の黒を取り切ることができた

「次の一手の棋譜並べ」で,手数窓 No. に「85」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図の局面になります。次に,白はどこに打つべきでしょうか?


KataGo の推奨展開図を,下図に示します。白 ①(右辺星の左側)と ② の交換をして,右辺の白一群の生きを確かめてから,右下隅に白 ③ と打てば,隅の黒を取り切ることができました。

黒には右辺の白一群を攻める手があった

白は,右下隅の攻防を誤り,白「106」(小さい黒丸が付いた白石)で白一群の半分を助けました。白は,上述した白 ①(右辺星の左側)と ② の交換をしていませんから,下図の水色のところに打てば,黒は右辺の白一群を攻めることができました。

白は左下隅をどう打てば良かったか?

「次の一手の棋譜並べ」で,手数窓 No. に「131」を入力し,「Jump」ボタンを押すと,下図の局面になります。戦いは左下隅に移り,黒「131」と打った局面です。白はどう打てば,左下隅の戦いに勝つことができるでしょうか?

下図に示すように,黒「131」(小さい白丸が付いた黒石)に対して,KataGo の推奨手(水色)を打てば,隅の白は生きであり,同時に,下辺の黒には2眼なくなり死でした。隅の攻防は,勝敗に直結することが多いので,手筋や手数差をしっかり読みたいものです。